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第120回 「今津久雄的こころ」     令和 4年6月10日                  外食経営塾塾長  今津久雄  

 「五知」(ごち)という言葉があります。「難を知る」「立場を知る」「使命を知る」「退くを知る」「足るを知る」を言うそうです。何事も最初は猪突猛進的に始め、種々結果が出始めてから、良き場合・悪しき場合でも色々感じ始めて来る。無論反省や自信を含めて・・・

「難を知る」起業時代に想像と現実の違いや、関わる人たちとの問題や課題・・・お客様のことだけ考えれば良かれと思うこととのズレや差異に悩まれたのではないでしょうか?

「立場を知る」自分自身の立場は理解している人のほうが多いとは思いますが、周囲が納得してくれないことへの不満や、やるせなさ等が山積ではなかったでしょうか?

「使命を知る」正垣様(サイゼリヤ創業者)のよく言われる「儲けにに走るな」はまさに極みではないでしょうか。お客様目線を言うも口先だけの経営者が多いこと多いこと。

「退くを知る」経営者として成し遂げた後に「この機会を逸することのないように」との教えではないでしょうか・・・もし、私が前職に今現在とどまっていたとしたら・・・この機会を逸する可能性は大だったと思います。完全退職だけが道ではありませんが!関わる方法があるはずだ・・・ということですが、難しいということですね。

「足るを知る」ことができないから、退くを知らずに居ることになるのかも知れません。人間「まだまだ」「これから先も」と、思い安いものですから・・・良き方向性と、悪しき構えが混濁するのでしょう。

 中小企業は10年続くのは10%以下・・・とか言われます。10年でようやく一人前?ということでしょうか?飲食店は「お客様のための店」で始めても、多店舗化、会社運営費的に迷ったり成長したりするためでしょうね。様々な課題に直面、乗り切ってゆかなくてはならないのですね。方向性の見極めも誤ってはならないですし・・・

 先にも申しました・・・「日常型店舗」「非日常型店舗」「超日常型店舗」あなたの店は「どのジャンルが合っているか」の判断を誤らないことです。開業時のメニュー構成で評価されたから継続(数店目からかも知れませんが?)し続けているのです。そして、今後のために立地や店作り、扱い商品等々にも影響が出始めるのですから・・・

 又「敵を知り」「己を知り」「時を知る」ことで勝利につながる・・・とは、ときの武将の言葉です。今日は「知る」でした。これを総じて続けると「五知・総」(ごちそう)さま。正しく飲食業。